《J-POP♬シティ・ポップ🎶》
⭐”晩夏〜ひとりの季節“荒井由実の4枚目のアルバム『14番目の月』収録曲。
⭐リリース:1976年11月20日
竹内まりやが『松任谷由実 サウンドアドベンチャー』にゲスト出演した際、「美大出身のユーミンにしか書けない曲」と絶賛!✨
美大に通っていただけあって色の感覚も鋭く、そこには時代的な背景もあって、彼女が生まれ育ち、通学したエリアは、自然が豊富にあった武蔵野ということも関係しているのだろう。
確かに、色の呼び方が素晴らしい!”空色は水色に 茜は紅に♪藍色は群青に 薄暮は紫に♪”コレだ!🤗
秋風の心細さ…それとは対照的な、でも少し淡い色のコスモスのカラーの夕暮れが迫って刻一刻暗くなっていくグラウンドにこだまする子どもの声。その声は犬🐶を呼んでいる…
ユーミンの眼に映るものは全て、美しい言葉を纏い、誰も到達出来そうにない芸術的な領域へと昇華してゆく…
もう一つ、ユーミンの素晴らしい才能とは、言葉ををメロディーに乗せるセンス✨だろう。
日本語はもともとポップスやロックとは非常に相性の悪い言葉で、英語のように子音でできた言葉と違い、全てが母音に落ち着く日本語は作曲家にとって至難の業…
しかし荒井由美は、70年代のSSWの誰もが悩み苦しんだ日本語とポップスという問題を実にサラリと言葉をメロディーに乗せてみせた。とくに、この”晩夏”の歌詞では顕著だ。色の日本的表現を巧く、美しく乗せているのだ。
ユーミンのアルバムは全10曲が多く、最後は決まって落ち着いたバラード♬という構成がほとんどだった。ラストチューン♬で、季節もフェード・アウトしてゆくような感じだ。
まるで夏が去ってゆくように…
ゆく夏に 名残る暑さは
夕焼けを吸って燃え立つ葉鶏頭
秋風の心細さは コスモス
何もかも捨てたい恋があったのに
不安な夢があったのに
いつかしら 時のどこかへ置き去り
空色は水色に 茜は紅に
やがて来る淋しい季節が恋人なの
丘の上 銀河の降りるグラウンドに
子どもの声は犬の名をくりかえし
ふもとの町へ帰る
藍色は群青に 薄暮は紫に
ふるさとは深いしじまに輝きだす
輝きだす